いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
顔をあげると、それは告白されに行ったはずの律くんで。
「えっ!?」
「ん?どした?」
あたしが驚いてることに律くんが驚く。
──と、ふわりと鼻を掠めるのは、律くんとは違う甘い香り。
……麻生さんの香りなのかな、それとも告白した女の子……?
胸の奥に小さく芽生える感情。
「……律くん……今、もしかして告白されてた……?」
考えてる暇なんてなかった。
気付いたら口にしてた。
あたしだって、ほんとうはイヤでたまらないの……。
「え、なんで知ってんの?」
目を見張ったあと、律くんは少しバツが悪そうに頭をかく。
……やっぱりそうだったんだ。
分かってたくせに、認められると胸がチクッと痛んだ。
「……呼ばれてるの、見えたから……」