冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「ねえ、桜木。さっきからずっと気になってたんだけど、右手かなり腫れてない?」


「そ、そんなことないですよ。こんなのハジメテのときの痛みに比べたら」


って私はいきなり仕事場で何を口走っているんだ。「嘘です、嘘です」と訂正するもレジから商品を陳列し直している私の元にやってくる三宅さん。


「・・・桜木、私、留守を預かっているの。桜木にもし何かあれば、すぐに連絡してほしいと社長命令で。だから全部報告したわ。今すぐに西原先生のところに行きなさい。どうせもうお客様は来ないだろうし、閉店作業は私一人でもできる。そして、ちゃんとあなたの口からも報告しなさい」


諒に今日のことを話すつもりはなかった。でも、もう諒は知ってしまったんだ。また怒られるだろうか。きっともう西原先生にも連絡がいってるに違いない。


「・・・わかりました。ありがとうございます。また連絡します」


早退させてもらい、西原先生に連絡をすると、やっぱり諒から連絡が入ってたみたいで、丁度今日は午後から研修だったのが終わったらしく、近くまで迎えにきてくれると言ってくれた。


「・・・深月です。ごめんなさい」


ショップ近くのカフェに入り、諒に電話を掛けるも留守番電話。一言だけ残して電話を切った。きっと心配してくれてる。離れている諒に心配なんて掛けたくなかったのに、心配掛けてしまった。ごめんなさい。
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