もしも、もしも、ね。


―――なんてふざけたことをしながら、私達4人は文化祭をめぐった。

人気のある3人だから注目度は120%。

注目されたくない私は気分が悪い。

はず、だった、けれど。


射的で准君とユウが競ったり、(准君勝利、ナイスッ!)

望果と私は輪投げ。(もちろん私が勝ったわ)

地味に4人で小豆をお箸でつまむゲームやったり。



私楽しんでる。



そう気付いたのはお化け屋敷だったかな。

ま、形式上ダブルデートだから2対2に分かれて入って。

准君たら意外に怖がりで望果から離れないの。

(あ、でもこっそり私にVサインしてきたけれど。

―――望果にくっつくための演技だったらしい。)

ユウと私はお互いケロッとしていて、「可愛げねぇ」と言われて殴り飛ばしたり。

その後、望果と准君たら大喧嘩。

水泳部の卓球では、男子(ユウ・准君)vs女子(望果・私)なんて無謀な対決になったけど、

さすが運動神経のいい望果。

怒りあいまって、まさかの私達の勝利。

あの剣幕は、卒業アルバムの文集のネタに出来るんじゃないだろうか。

ここぞとばかりに、家庭科部のケーキをおごらせた。(やったね!)



楽しい。



実は私、文化祭を回ったの初めてだった。

一緒に回る友達も、見に行くと約束する友達も居なかったから。

望果とだってここまで仲良くなかったし。

ユウと付き合って、悪いことばかりじゃない。

そう思った私がいたのも本当。(ちょ、ちょっとだけだけどね!)


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