もしも、もしも、ね。


―――・・・え?

私も、望果も、准君も固まった。

それを見てみぃは「知らなかったんだー・・・じゃぁ、ただのデマかなぁこっちは。」なんて、

私から手を離し腕を組みながらブツブツ呟いている。





そっか。

私馬鹿かも。



自分のことばっかりで、ユウのほうの気持ちを考えてなかった。

それに、別れた理由も考えてなかった。

考えようともしてなかった。



確かにユウに好きな女の子がいることも考えられることだし、

それが別れる理由になることだってよくある話だ。

・・・まったく、私のさっきの意気込みを返して。

別れてからもアイツは嫌な男だ。

(―――そんなところが、好き・・・なのかも、しれない け、ど。)

ガツンと衝撃が来たのはうそではないけれど、

思ったよりも余韻は無かった。



「あのね、暁里!」



みぃはまた私の肩を掴んだ。

はっと我に返ると、綺麗にラインの引かれた鋭いネコ目がじっと私を捉えていて。

「何?」と言うと、

彼女は思ってもみないことを口にした。



「裕哉を、絶対に取り返すこと!!」


< 195 / 299 >

この作品をシェア

pagetop