デジタルな君にアナログな刻を
お店はそれほど広くなくて、席は今帰った人たちが座っていたらしい二人席が空いているだけ。そこのテーブルを彫りの深い顔立ちのお兄さんが手際よく片付けて、案内してくれる。
手書きコピーのメニュー表にあるランチのラインアップは、チキンに豆、ベジタブルの3種類あるカレー。その中からルーを選んで、ライスとミニサラダ、ドリンクがついて500円。プラス50円でおかわり自由のライスをナンに替えられるとのことだった。
「ランチのチキンカレー。辛口でナンにしてください。ドリンクはチャイで」
奈々美さんがさっさと注文してしまう。追加料金は痛いけれど、香辛料の香りに混じって、ナンを焼く香ばしい匂いがわたしを誘惑してくる。
「ええっと、豆カレーをわたしもナンとチャイでお願いします。……甘口ってできますか?」
小声で訊いたわたしに店員さんは満面の笑顔で頷いてくれて、ドリンクは食後でいいかを確認すると、厨房に伝えにいった。
「あれ、辛いのダメだった? ごめんね。でもこの前中辛を食べたけど、全然辛くなかったから……」
おしぼりで手を拭きながら申し訳なさそうに言われて、慌てて首を横に振る。
「いいえ、大丈夫です。そんなに得意じゃないので、念のために甘口にしただけです」
奈々美さんの辛さの基準がわからないからちょっとは心配だけど、店内に充満する食欲を刺激する香りに期待の方が高まっていた。
料理は思ったよりも早く運ばれてくる。それもそうだ、カレーをよそうだけだもの。
巨大な草履みたいなナンにびっくりしつつ、それをちぎって白、緑、赤、様々な色の豆が入ったカレーをつけて口に入れた。
あれ? 思ったほど辛くない。しっかりスパイスが効いてはいるけれど、口から火を噴くような辛さじゃなくて、身体がぽかぽかと中心から暖かくなる心地好い刺激。柔らかく煮込まれた豆の甘さもあるのかも。
それに、なんといっても噛みしめるほど甘く感じるナンのおかげで、まったく辛さが苦にならない。……念のために言うけど、シャレではありません。
手書きコピーのメニュー表にあるランチのラインアップは、チキンに豆、ベジタブルの3種類あるカレー。その中からルーを選んで、ライスとミニサラダ、ドリンクがついて500円。プラス50円でおかわり自由のライスをナンに替えられるとのことだった。
「ランチのチキンカレー。辛口でナンにしてください。ドリンクはチャイで」
奈々美さんがさっさと注文してしまう。追加料金は痛いけれど、香辛料の香りに混じって、ナンを焼く香ばしい匂いがわたしを誘惑してくる。
「ええっと、豆カレーをわたしもナンとチャイでお願いします。……甘口ってできますか?」
小声で訊いたわたしに店員さんは満面の笑顔で頷いてくれて、ドリンクは食後でいいかを確認すると、厨房に伝えにいった。
「あれ、辛いのダメだった? ごめんね。でもこの前中辛を食べたけど、全然辛くなかったから……」
おしぼりで手を拭きながら申し訳なさそうに言われて、慌てて首を横に振る。
「いいえ、大丈夫です。そんなに得意じゃないので、念のために甘口にしただけです」
奈々美さんの辛さの基準がわからないからちょっとは心配だけど、店内に充満する食欲を刺激する香りに期待の方が高まっていた。
料理は思ったよりも早く運ばれてくる。それもそうだ、カレーをよそうだけだもの。
巨大な草履みたいなナンにびっくりしつつ、それをちぎって白、緑、赤、様々な色の豆が入ったカレーをつけて口に入れた。
あれ? 思ったほど辛くない。しっかりスパイスが効いてはいるけれど、口から火を噴くような辛さじゃなくて、身体がぽかぽかと中心から暖かくなる心地好い刺激。柔らかく煮込まれた豆の甘さもあるのかも。
それに、なんといっても噛みしめるほど甘く感じるナンのおかげで、まったく辛さが苦にならない。……念のために言うけど、シャレではありません。