デジタルな君にアナログな刻を
熟睡したつもりでも、カーテンの隙間から見える空はまだ暗かった。そろりと布団を抜け出そうとすると、店長が身じろぎをする。
起こしてしまったかな?顔を覗き込んでみたら、瞼がぴくぴくと動いた後で薄目が開いた。
「あれ、もうそんな時間?」
掠れた声で目を擦り、目覚まし時計に手を伸ばす。うっすらと光る針が6時3分を示すそれを、ポイッと枕元に放り出した。
「まだ早いよ。もう少しゆっくりしよ?」
ほとんど目を閉じたままへにゃりと笑う。とてつもなく甘い誘惑に聞こえるけれど。
「いえ。わたしは一度家に帰ってから出勤します」
「ん、わかった。気をつけてね。あ、ちょっと待って」
再び目を閉じようとした店長が、わたしのTシャツの裾を引っ張った。
「なんですか?」
口元に耳を寄せようとすると、グイッと顔を寄せられて唇を奪われる。
「おはよう、円ちゃん。また後でね」
「お、はよう、ございま……す」
一気に体温が上がったわたしの言葉を最後まで聞かず、店長はパタンと右手を落とし眠りについていた。
ウチのお風呂場よりずっと広い洗面所を借り顔を洗い、見苦しくない程度に髪を整えた。まだ暗いし、自転車で飛ばせば大丈夫だよね、などと女子力の低さの言い訳にする。
侵入者に厳しいセキュリティは、出て行く者には呆気ないくらいに素っ気なかった。
起こしてしまったかな?顔を覗き込んでみたら、瞼がぴくぴくと動いた後で薄目が開いた。
「あれ、もうそんな時間?」
掠れた声で目を擦り、目覚まし時計に手を伸ばす。うっすらと光る針が6時3分を示すそれを、ポイッと枕元に放り出した。
「まだ早いよ。もう少しゆっくりしよ?」
ほとんど目を閉じたままへにゃりと笑う。とてつもなく甘い誘惑に聞こえるけれど。
「いえ。わたしは一度家に帰ってから出勤します」
「ん、わかった。気をつけてね。あ、ちょっと待って」
再び目を閉じようとした店長が、わたしのTシャツの裾を引っ張った。
「なんですか?」
口元に耳を寄せようとすると、グイッと顔を寄せられて唇を奪われる。
「おはよう、円ちゃん。また後でね」
「お、はよう、ございま……す」
一気に体温が上がったわたしの言葉を最後まで聞かず、店長はパタンと右手を落とし眠りについていた。
ウチのお風呂場よりずっと広い洗面所を借り顔を洗い、見苦しくない程度に髪を整えた。まだ暗いし、自転車で飛ばせば大丈夫だよね、などと女子力の低さの言い訳にする。
侵入者に厳しいセキュリティは、出て行く者には呆気ないくらいに素っ気なかった。