肉食系御曹司の餌食になりました
それから十五分ほどして、智恵の彼氏がやってきた。
「どうも、種田です。突然お邪魔してごめんね。智恵がいつも話す友達に会ってみたいと思ってさ」
会社帰りらしくスーツ姿の彼は、最初から砕けた感じで挨拶してきた。
私は立ち上がって頭を下げ、「初めまして、平良亜弓です。お会いできて嬉しいです」と普通に挨拶する。
種田さんは仕事の関係者ではないし、年上なので、初対面でラフな話し方をされても別に気にならない。
でも私を見た瞬間に、微かに眉を寄せたのは少々気になる。
それは一体、どういう意味の表情なのか?
華やかで美人な智恵の友人ということで、私にも似たようなイメージを求めていたせいなのか?
あまりの地味さに一瞬にして見下されただけなら、慣れているので平気だけど、自分の婚約者に不釣り合いだから、友人を辞めてくれと言われるのは困る。
種田さんの私に対する第一印象が、否定的とまで行かずとも好意的でないことに、少々の引っ掛かりを感じつつ、作り笑顔をキープして、運ばれてきた彼のグラスにワインを注いだ。
一方智恵はなにも勘付いていないようで、嬉しそうに私との関係を話し出す。
「亜弓には、いつも助けられてるんだ。
私の考えた企画が通ったのも、実は亜弓のお陰でーー」