狼少年、拾いました。
「おっと!」
地面に露出した木の根に足を滑らせそうになる。
「気をつけてくれよ。折角用意した昼食が危うく台無しになるところだった。」
スティーヌが冗談めかして言う。
今日の昼食はスティーヌの作ったキノコと干し肉のスープと、ミェルナが香草を練り込んで焼いておいたパンだ。
心配なら持ってくれてもいいのよ、と憎まれ口で返した。
こうやってこぼさないようにはらはらしながら食事をレスクのところへ運ぶのも、もうあと数える程しかないかもしれない。
そう思うと、心の隅っこが少しきしむようだった。
それを察したからなのか、スティーヌは貸せ、と口調はぶっきらぼうなものの昼食の入った籠を本当に持ってくれた。
「え、いいのに。」
「いい。私が持つ。今日はいつにも増して上手くできたんだ。あの小僧にもたまには美味いものを食わせてやらなければ。」
「それじゃわたしのがおいしくないみたいじゃないの。」
そんなふうに軽口を叩きあいながら、やっぱり話してくれる人が減るのは寂しいな、とそう思ったときスティーヌの足が突然ピタリと止まった。
地面に露出した木の根に足を滑らせそうになる。
「気をつけてくれよ。折角用意した昼食が危うく台無しになるところだった。」
スティーヌが冗談めかして言う。
今日の昼食はスティーヌの作ったキノコと干し肉のスープと、ミェルナが香草を練り込んで焼いておいたパンだ。
心配なら持ってくれてもいいのよ、と憎まれ口で返した。
こうやってこぼさないようにはらはらしながら食事をレスクのところへ運ぶのも、もうあと数える程しかないかもしれない。
そう思うと、心の隅っこが少しきしむようだった。
それを察したからなのか、スティーヌは貸せ、と口調はぶっきらぼうなものの昼食の入った籠を本当に持ってくれた。
「え、いいのに。」
「いい。私が持つ。今日はいつにも増して上手くできたんだ。あの小僧にもたまには美味いものを食わせてやらなければ。」
「それじゃわたしのがおいしくないみたいじゃないの。」
そんなふうに軽口を叩きあいながら、やっぱり話してくれる人が減るのは寂しいな、とそう思ったときスティーヌの足が突然ピタリと止まった。