次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「私、直人の話を聞いて、それでもいいって思ったの。直人さえかまわないんだったら、好きなタイミングで出して。それに直人、言ったでしょ? 本当にしてしまえば、それは嘘じゃない、って。専務にあんな風に言っちゃったし、だから」
そのとき、目の前で信じられない光景が広がった。直人が渡したばかりの婚姻届を両手で掴み、縦に思いっきり破いたのだ。紙は綺麗に破けず、不恰好ながらびりびりと音を立ててその身が裂かれた。
「なに、してるの?」
あまりにも予想外すぎる事態に、自分で質問しておいて、その言葉もよく分かっていない。正直、生まれてはじめて書く婚姻届に、私は緊張しながら一文字一文字を丁寧に、必死で記入したのに。
直人はとどめと言わんばかりに、大きさがまったく揃っていないふたつの紙を重ねて、さらにもう一度、破いた。
「同情で結婚してもらうのは御免だ」
「同情なんかじゃないよ! そんなので結婚なんてするわけないでしょ!?」
冷静な直人の声に対し、私の声は感情があからさまに表れていた。
「じゃぁ、なんなんだ?」
「なにって……。なんでもいいでしょ? というより、そんなこと言ってる場合!?」
どうして私の方がこんなにも熱くなっているのか、おかしな話だった。それにしても、この土壇場でなにを直人はこだわっているのか。
大事なのは私とちゃんと結婚したという事実のはずだ。この記入済の婚姻届を直人は一番、欲しがっていたのではないか。しかし、直人は不機嫌そうなオーラを纏ったままだ。
そのとき、目の前で信じられない光景が広がった。直人が渡したばかりの婚姻届を両手で掴み、縦に思いっきり破いたのだ。紙は綺麗に破けず、不恰好ながらびりびりと音を立ててその身が裂かれた。
「なに、してるの?」
あまりにも予想外すぎる事態に、自分で質問しておいて、その言葉もよく分かっていない。正直、生まれてはじめて書く婚姻届に、私は緊張しながら一文字一文字を丁寧に、必死で記入したのに。
直人はとどめと言わんばかりに、大きさがまったく揃っていないふたつの紙を重ねて、さらにもう一度、破いた。
「同情で結婚してもらうのは御免だ」
「同情なんかじゃないよ! そんなので結婚なんてするわけないでしょ!?」
冷静な直人の声に対し、私の声は感情があからさまに表れていた。
「じゃぁ、なんなんだ?」
「なにって……。なんでもいいでしょ? というより、そんなこと言ってる場合!?」
どうして私の方がこんなにも熱くなっているのか、おかしな話だった。それにしても、この土壇場でなにを直人はこだわっているのか。
大事なのは私とちゃんと結婚したという事実のはずだ。この記入済の婚姻届を直人は一番、欲しがっていたのではないか。しかし、直人は不機嫌そうなオーラを纏ったままだ。