次期社長と甘キュン!?お試し結婚
 異物感はどんな感じかと、つける前は不安だったが、徐々に慣れて目にフィットすると、視界が驚くほどはっきりとした。思わず感嘆の声が漏れてしまう。

「文明の利器ってすごい!」

「初のコンタクトの感想がそれか」

 なんだか脱力したように言う直人に目をやった。すると、直人もこちらを眼鏡越しにじっと見つめてくる。

 つい視線を逸らしてしまったが、次は容赦なく、はずせとの指令が飛んで、私は大苦戦しながらも、なんとかコンタクトデビューを果たしたのだった。

 とりあえず一人でコンタクトをつけてはずせることが確認されたので、解放させてもらえることになった。お店に入ってから、一時間にも満たなかったが、私は何時間も滞在したような気分だった。

 せっかくなので、お試しに、とコンタクトをつけて帰ることにする。どっと疲れが押し寄せてくる中、直人はどこかに電話をしていたみたいで、それが終わると「次、行くぞ」と涼しげな顔で言ってきた。

 そして次につれてこられたのは、ヘアサロンだった。私がいつも行っている小さな美容室とは違って、建物も大きく、スタッフの数も比べ物にならない。内装もお洒落で、来ているお客さんたちも、みんな美人だ。

 なんだか場違いな気がして目眩を起こしそうになる。しかも一緒にいるのが直人なので、スタッフやお客さんたちの視線を一気に集めることになった。

 こういうところって、予約しないといけないような気がするんだけど。
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