次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「なんとか間に合ったみたいだな」
この発言は電話越しではなく、私の耳に直接届いた。あれから電話をかけ直すと「社長室に寄ってくれ」と短く告げられ、私は指示されたとおり、こうして直人のところまでやってきたのである。
「まだ残ってたんだ」
直人は机に座って、パソコンに向き合っていた。秘書の栗林さんが立ち上がって軽く挨拶をしてくれたので、私も頭を下げる。
「晶子たちの案件が片付いたら帰るつもりだったんだ」
考えてみれば、現場でこのようなイレギュラーな事態になっているのに、社長代理である直人が、先に帰っているはずもなかった。やっぱり上に立つ人間というのはなかなか大変だ。
そして、直人は栗林さんに先に上がるように告げる。いつもどおりの優しい笑みを浮かべて栗林さんはいくつか明日のことを直人に報告してから部屋を後にしていった。
おかげでこの広い部屋で私は直人と二人きりになってしまった。直人は作業したまま視線をこちらに寄越すこともない。
「それで、どうして私を呼び出したの?」
とりあえず質問を投げ掛ける。さっきからなんだか落ち着かず、私はドアのところで突っ立ったままだった。
ここは家ではなく会社なので、なんとなく彼と二人で会うことが後ろ暗い。この居心地の悪さはそういうことなんだと思う。
この発言は電話越しではなく、私の耳に直接届いた。あれから電話をかけ直すと「社長室に寄ってくれ」と短く告げられ、私は指示されたとおり、こうして直人のところまでやってきたのである。
「まだ残ってたんだ」
直人は机に座って、パソコンに向き合っていた。秘書の栗林さんが立ち上がって軽く挨拶をしてくれたので、私も頭を下げる。
「晶子たちの案件が片付いたら帰るつもりだったんだ」
考えてみれば、現場でこのようなイレギュラーな事態になっているのに、社長代理である直人が、先に帰っているはずもなかった。やっぱり上に立つ人間というのはなかなか大変だ。
そして、直人は栗林さんに先に上がるように告げる。いつもどおりの優しい笑みを浮かべて栗林さんはいくつか明日のことを直人に報告してから部屋を後にしていった。
おかげでこの広い部屋で私は直人と二人きりになってしまった。直人は作業したまま視線をこちらに寄越すこともない。
「それで、どうして私を呼び出したの?」
とりあえず質問を投げ掛ける。さっきからなんだか落ち着かず、私はドアのところで突っ立ったままだった。
ここは家ではなく会社なので、なんとなく彼と二人で会うことが後ろ暗い。この居心地の悪さはそういうことなんだと思う。