次期社長と甘キュン!?お試し結婚
「さっきも言っただろ。晶子たちの案件待ちだったんだ」
「だから?」
私は直人がなにを言いたいのか理解できず、聞き返した。察しが悪くて申し訳ないが、もしかして、その案件のことで、なにかお叱りのことでもあるんだろうか。
そんなことを考えていると、直人はようやく画面から視線を私の方に向けた。その顔は少しだけ怒っている、気がする。なので、私はお叱りを覚悟した。そして直人は、その表情を崩さないまま口を開く。
「もう遅いし、帰る場所も同じだから一緒に帰ろうと思ったんだ」
まさかの言葉に、私は目をぱちくりとさせて彼をじっと見つめ返した。
「そのためにわざわざ電話をくれて、呼び出したの?」
「そんなに驚くことじゃないだろ。急ぎのメールを打つからソファに座って少し待っててくれないか?」
なにか返そうかと思ったが、直人の視線が再びパソコンに向いたので私はなにも言わないまま、おとなしく来客用のソファに腰かけた。黒い革製のソファの座り心地は独特だ。
叱られるのかと思ったら、一緒に帰ろう、だなんて予想外なのもいいところだ。人があまりいないとはいえ、他の社員に見つかったら困るのは直人なのに。
どういうつもりなんだろう。私が色々思い巡らせるほど、直人にとって深い意味はないんだろうか。こうして、直人のすることの意味をいちいち考えてしまう自分が変なのか。
それにしても、背もたれに体を預けると、なんだか急に眠気に襲われる。安心したからか、気が抜けたからか。キーボードをリズミカルに叩く音がどこか心地よく、私は眼鏡を外して、そっと膝におくと静かに瞼を閉じた。
「だから?」
私は直人がなにを言いたいのか理解できず、聞き返した。察しが悪くて申し訳ないが、もしかして、その案件のことで、なにかお叱りのことでもあるんだろうか。
そんなことを考えていると、直人はようやく画面から視線を私の方に向けた。その顔は少しだけ怒っている、気がする。なので、私はお叱りを覚悟した。そして直人は、その表情を崩さないまま口を開く。
「もう遅いし、帰る場所も同じだから一緒に帰ろうと思ったんだ」
まさかの言葉に、私は目をぱちくりとさせて彼をじっと見つめ返した。
「そのためにわざわざ電話をくれて、呼び出したの?」
「そんなに驚くことじゃないだろ。急ぎのメールを打つからソファに座って少し待っててくれないか?」
なにか返そうかと思ったが、直人の視線が再びパソコンに向いたので私はなにも言わないまま、おとなしく来客用のソファに腰かけた。黒い革製のソファの座り心地は独特だ。
叱られるのかと思ったら、一緒に帰ろう、だなんて予想外なのもいいところだ。人があまりいないとはいえ、他の社員に見つかったら困るのは直人なのに。
どういうつもりなんだろう。私が色々思い巡らせるほど、直人にとって深い意味はないんだろうか。こうして、直人のすることの意味をいちいち考えてしまう自分が変なのか。
それにしても、背もたれに体を預けると、なんだか急に眠気に襲われる。安心したからか、気が抜けたからか。キーボードをリズミカルに叩く音がどこか心地よく、私は眼鏡を外して、そっと膝におくと静かに瞼を閉じた。