次期社長と甘キュン!?お試し結婚
出荷依頼書の返事、まだ来てないな。気になっていたからか、私はそんなことを夢現のまま一番に思った。
カーテンから差し込む光は明るいが、まだ携帯のアラームは鳴っていない。どうやらエアコンのタイマーが切れて目が覚めたようだ。
本格的にやってくる夏に鬱陶しさを感じながら、徐々にしっかりと意識が覚醒し、時間を確認しようとする。
が、次の瞬間、仕事のことも吹き飛び、枕に顔を埋めて身悶えする。昨日の直人とのキスがありありと蘇って、胸が苦しくなった。
リアルな感触がはっきりと残っていて、口の中がむず痒い。意識せずとも心臓がまた早鐘を打ちはじめる。なにより、ろくに抵抗もせずに受け入れてしまった自分が恥ずかしくて、消えてしまいたい。
直人は、どういうつもりだったんだろうか。……やっぱり誰とでもキスをすると軽蔑されてしまったんだろうか。
私は大きくため息をついた。あのあと、直人が自室にいるのを確認して、足音ひとつ立てないように洗面所に向かい、歯磨きと洗顔を手短に済ませたのだが、気分はまさに泥棒だった。
ベッドから起き上がり、時計を確認するとまだ五時だった。枕元に置いてあった眼鏡をかけて部屋のドアをゆっくりと開ける。人の気配のない廊下に安堵の息を漏らした。
どうやら直人はまだ起きていないらしい。今のうちにシャワーを浴びてしまおう。今まで以上に気まずい気持ちになり、それは、この間の比ではない。
こんなので、どうやって彼と暮らしていけばいいのか。しかし、よくよく考えれば結婚を前提にした男女があんなキスをしたぐらいで、気まずくなるのもなんだか笑えてしまう。
直人は、どうしてあんな行動をとったのだろうか。あれこれ考えたって、それは直人にしか分からない。なにより、そんなことを聞く度胸もない。
私は肩を落としてキッチンに足を運んだ。アルコールはもう抜けているが、どうにも喉が乾く。冷蔵庫を開けると、いつもはアイスティーを飲むところだが、ここはおとなしくミネラルウォーターのボトルを選んだ。
渇いた喉が潤って、ほっと一息つく。
とにかく、もう掘り返すのはやめよう。直人の気持ちはどうであれ、次に顔を合わせたときは、いつも通りにしていよう。直人にとってもそれがいいはずだ。
グラスを握る手に力を込めながら、私はひっそりと心の中で誓った。
カーテンから差し込む光は明るいが、まだ携帯のアラームは鳴っていない。どうやらエアコンのタイマーが切れて目が覚めたようだ。
本格的にやってくる夏に鬱陶しさを感じながら、徐々にしっかりと意識が覚醒し、時間を確認しようとする。
が、次の瞬間、仕事のことも吹き飛び、枕に顔を埋めて身悶えする。昨日の直人とのキスがありありと蘇って、胸が苦しくなった。
リアルな感触がはっきりと残っていて、口の中がむず痒い。意識せずとも心臓がまた早鐘を打ちはじめる。なにより、ろくに抵抗もせずに受け入れてしまった自分が恥ずかしくて、消えてしまいたい。
直人は、どういうつもりだったんだろうか。……やっぱり誰とでもキスをすると軽蔑されてしまったんだろうか。
私は大きくため息をついた。あのあと、直人が自室にいるのを確認して、足音ひとつ立てないように洗面所に向かい、歯磨きと洗顔を手短に済ませたのだが、気分はまさに泥棒だった。
ベッドから起き上がり、時計を確認するとまだ五時だった。枕元に置いてあった眼鏡をかけて部屋のドアをゆっくりと開ける。人の気配のない廊下に安堵の息を漏らした。
どうやら直人はまだ起きていないらしい。今のうちにシャワーを浴びてしまおう。今まで以上に気まずい気持ちになり、それは、この間の比ではない。
こんなので、どうやって彼と暮らしていけばいいのか。しかし、よくよく考えれば結婚を前提にした男女があんなキスをしたぐらいで、気まずくなるのもなんだか笑えてしまう。
直人は、どうしてあんな行動をとったのだろうか。あれこれ考えたって、それは直人にしか分からない。なにより、そんなことを聞く度胸もない。
私は肩を落としてキッチンに足を運んだ。アルコールはもう抜けているが、どうにも喉が乾く。冷蔵庫を開けると、いつもはアイスティーを飲むところだが、ここはおとなしくミネラルウォーターのボトルを選んだ。
渇いた喉が潤って、ほっと一息つく。
とにかく、もう掘り返すのはやめよう。直人の気持ちはどうであれ、次に顔を合わせたときは、いつも通りにしていよう。直人にとってもそれがいいはずだ。
グラスを握る手に力を込めながら、私はひっそりと心の中で誓った。