次期社長と甘キュン!?お試し結婚
それからしばらくして、直人の部屋のドアをノックする。寝ているのでは、という不安もあったが、中から軽く返事があったのを聞いて、私はすかさずドアを開けた。
「おい」
直人の制止する声を無視して中に入る。まだエアコンが効いていないからか、そこまで涼しくはないが、彼の体調を考慮したらこれぐらいでいいだろう。
部屋は思った以上に、なにもなくて殺風景な印象だった。でも今はそこではない。
「仕事を休めとは言わないから、とりあえずこれを飲んで」
机の端に持ってきたマグカップを置いた。そして、飲みかけのミネラルウォーターのペットボトルに目を向ける。
「喉が痛いときは、冷たいものはよくないよ。これ、喉の痛みによく効くから」
マグカップの中身は、お湯に蜂蜜とレモン汁を溶かしたものだった。女優であるおばあちゃんの直伝で、声が大事な祖母もよく飲んでいたらしい。
ちなみに今は朋子も舞台の合間によく飲んでいるんだとか。なのでその効果は折り紙つきだ。
「大きなお世話だ」
ネクタイを解いてシャツを着崩した直人の顔色はやはり調子が悪いのか顔色があまりよくない。しかめっ面をしながら、さっさと出て行って欲しそうな直人に私は眉をひそめた。
「直人の意地っ張り」
その言葉に、直人は少しだけ意外そうな表情を見せた。
「そんなわざと突っぱねようとしなくても、調子が悪いときは悪いって言えばいいじゃない。私は直人の婚約者なんでしょ? だったら、心配ぐらいさせてよ」
一気に捲し立てると、私はそそくさと部屋をあとにする。彼にも言われたこととはいえ、自分で婚約者、と言ってなんだか気恥ずかしかったが、それは顔を出さないようにと必死だった。
恋愛感情がなくても、条件を満たすためだけに婚約者になったのだとしても、それでもこれぐらい口出させて欲しい。心配ぐらいさせて欲しい。そう願うのは迷惑なんだろうか。
「おい」
直人の制止する声を無視して中に入る。まだエアコンが効いていないからか、そこまで涼しくはないが、彼の体調を考慮したらこれぐらいでいいだろう。
部屋は思った以上に、なにもなくて殺風景な印象だった。でも今はそこではない。
「仕事を休めとは言わないから、とりあえずこれを飲んで」
机の端に持ってきたマグカップを置いた。そして、飲みかけのミネラルウォーターのペットボトルに目を向ける。
「喉が痛いときは、冷たいものはよくないよ。これ、喉の痛みによく効くから」
マグカップの中身は、お湯に蜂蜜とレモン汁を溶かしたものだった。女優であるおばあちゃんの直伝で、声が大事な祖母もよく飲んでいたらしい。
ちなみに今は朋子も舞台の合間によく飲んでいるんだとか。なのでその効果は折り紙つきだ。
「大きなお世話だ」
ネクタイを解いてシャツを着崩した直人の顔色はやはり調子が悪いのか顔色があまりよくない。しかめっ面をしながら、さっさと出て行って欲しそうな直人に私は眉をひそめた。
「直人の意地っ張り」
その言葉に、直人は少しだけ意外そうな表情を見せた。
「そんなわざと突っぱねようとしなくても、調子が悪いときは悪いって言えばいいじゃない。私は直人の婚約者なんでしょ? だったら、心配ぐらいさせてよ」
一気に捲し立てると、私はそそくさと部屋をあとにする。彼にも言われたこととはいえ、自分で婚約者、と言ってなんだか気恥ずかしかったが、それは顔を出さないようにと必死だった。
恋愛感情がなくても、条件を満たすためだけに婚約者になったのだとしても、それでもこれぐらい口出させて欲しい。心配ぐらいさせて欲しい。そう願うのは迷惑なんだろうか。