爆発まで残り5分となりました
結局、私達がこの教室を離れることはなかった。
理由はいくつかあったと思う。
ここを離れた途端に教室を取られること。
そして退場までに、教室に戻れなかった場合を想定してのことだった。
ふと、同じ席に座って机に伏せていた朱美が呟いた。
「消えちゃうのかな?」
「え?何?」と聞き返すと、朱美が言いにくそうに下唇を噛んだ。
「ここにいたっていう記憶のこと。これは本当は現実じゃなくて、夢だった……みたいな。それだったら、私達の記憶は犯人に消されるんじゃないの?」
その意見に、轍が口をはさむ。
「まさかの夢オチ!?……てか、こんなにリアルなのに夢ってのはないだろ」