スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―
「だ、だって、子どもたちからの質問に答えて、子どもたちがわかるように説明するのは、教師として当たり前のことじゃないですか」
「当たり前? そうか? 教師なんてつまんねえ。
何十人もの生徒をひとくくりに扱って、出来のいいやつと悪いやつにレッテルを貼って、どっちでもないやつらの顔は覚えてやしねえし、出来の悪い連中はさっさと見限る。
そんな薄情な生き物だと、おれは思ってた」
「どういう教育環境にあったんですか?」
「つまりは、おれがクズ扱いされ続けてたってことさ。多少クソガキでも、らみほど扱いが難しくもなかったはずなのにな」
頼利さんが柔らかく微笑んだ。
らみちゃんを見つめていたその視線が、わたしへと戻される。
ドキン、と心臓が高鳴った音は、頼利さんには聞こえなかっただろうか。
わたしは目を伏せた。
膝に抱えた通勤バッグが視界に入る。