スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―


「そうね。適当なくらいが楽しいでしょ?

俊文くんの押し寿司は箱庭みたいできれいで、ああいうお料理も素敵だけど、たまには独身アラサー女子らしく、好きなものばっかりのわがままな適当レシピもいいじゃない?」


適当って繰り返しながら、美香子先生の手つきは丁寧で、刻み野菜や錦糸卵が美しい。

わたしが担当したサラダの具材たちは、不揃いでゴロゴロしてる。


高速モードで炊き上がったごはんを大皿で冷ましながら、すし酢で和えて、刻んだ具を混ぜ込む。

それから、思いのままにトッピング。

サラダの盛り付けも完了させたら、すごい達成感があって、思わず写真を撮ってしまった。


「なぎさ先生、飲み物は何にする? 生協のオーガニックのジュース、昨日届いたばかりだから、まだ何でもあるわよ」


「じゃあ、香港フィズの紹興酒抜きで」


「ずいぶんマニアックなジンジャーエールね」


「おお、通じた! さすが隠れ酒豪の美香子先生!」


「わたし、紹興酒は好きなの。はい、ジンジャーエール」


美香子先生が愛飲するオーガニック系ジュースのシリーズは瓶入りで、全体としてくすんだ色をして、底のほうには成分が沈殿している。

フレッシュな素材を、可能な限り加工せずにジュースにしているから、そんな見た目になるらしい。


< 128 / 240 >

この作品をシェア

pagetop