スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―
ジュースで乾杯して、ちらし寿司とサラダに早速、箸を付ける。
久々に料理した。
うん、お手製の味って、いい感じ。
普段、朝食だけは自分で用意するけど、トーストとカップスープとバナナだから、料理のうちに入らないと思う。
空腹を満たすべく、しばらく無言で食べてて、それから美香子先生が箸を置いて小首をかしげた。
眼鏡の奥の目は微笑みながら、真剣な色をしている。
「今日はおかしなこと、何もなかった?」
「加納関連は、今のところ何も。おとなしいのも不気味なんだけどね」
「連絡先は拒否してないの?」
「万一に備えて、文字や日付の履歴が残るスマホのデータは残しておきたいなって思って。
それに、連絡を断ったら逆上されかねないし、向こうの動きが全然つかめなくなるわけだし。まあ、しょっちゅう着信したら気持ち悪いから、電源はオフにしてるけど」
「なるほど。そういう発想はなかったわ」
「大学時代、加納と別れるときに、俊くんちのおじさんから入れ知恵してもらったの。
ストーカー化するんじゃないかと心配してたら、連絡先をアドレス帳から削除してもいいけど、拒否するのはかえってよくないって」
「お別れするときにも、ひと悶着あったのね」