咲くやこの花、誠の旗に
「平助さん、ここは…」
咲耶はここはどこかと平助に尋ねようと口を開いた。
すると、
「平助?そんな所に座り込んでどうした……っと、客人か?」
優しそうな男の声に遮られた。
声の主の姿を見てみると、ガタイが良く月代を剃り髷を結っている。
年は20代後半あたりだろうか。
(平助さんが言っていた主の方かな…?
ってことはここは、平助さんがお世話になってるって言っていた場所?)
「近藤さん!
こいつ咲耶って言うんだけど見ての通り色々訳ありらしいんだ。とりあえず中で話を聞いてやってほしいんだけど、いいかな。」
近藤と呼ばれた男は咲耶へと視線を移した。
咲耶は慌ててぺこりと頭を下げる。
「ふむ…。」
近藤は考えるように咲耶を見つめる。
そして少し経った後、
「よし、それじゃあ客間で話を聞くとしようか!咲耶くん、こちらへ。」
近藤はそう言って咲耶を奥の部屋へ案内した。
「はっ、はい!」