咲くやこの花、誠の旗に
咲耶は履いていた靴を脱いで近藤の後を追い廊下を歩く。
すると不意に平助が咲耶の背をぽんっと叩いた。
「近藤さんは本当に良い人だからさ、あんま緊張すんなよ!」
そう言って平助はニカっと笑った。
(気を使ってくれてるのかな。)
平助なりの気遣いに咲耶の胸は温かくなる。
すると、
「お、お前ここに女連れ込むなんてどうしちまったんだよ!?さては平助の思い人か!?」
後ろから急に聞こえてきた声に、平助と咲耶は振り向く。
声の主を見た平助はあからさまに嫌そうに顔を歪めた。
「げっ…、新八っつぁん…。
ちげーよ!!こいつはそんなんじゃねえから!!」
平助がムキになって否定すると、また別の男が騒ぎを聞きつけてやってくる。
「おいおい声荒げてどうした?
…お、その女は?」
(この人たちもここに住んでいるのかな。)
咲耶は黙ったまま平助たちの会話を聞いた。