咲くやこの花、誠の旗に
「これからは常にその格好で過ごしてもらうことになるが咲耶くんは本当に良いのか?
ここはなんせ男所帯だ。女ということを隠していくとなると不便なことも多いだろう。」
心配そうに見つめる近藤に、咲耶は両手を胸の前で振る。
「私のことは気にしないで下さい!ここに置いてもらうために必要ならそれは仕方のないことですから。
それに男の人ばかりの環境には慣れてますので!」
その言葉に平助は、
(慣れてるって、男兄弟でもいたのか?)
と少し疑問を抱いたがあまり気にとめる程のことではないと思い口には出さなかった。
「まあ近藤さんもあんま心配すんなよ!
なんか困ったことがあったら出来る限りの事はしてやるし!」
平助はそう言って咲耶の背をバンッと叩く。
背中に走った衝撃に咲耶は『いたっ』と声を漏らした。
平助の言葉を聞いた近藤は『そうかそうか』と笑ってから、
「咲耶くん、平助は見ての通り頼りない奴だが何かあればすぐに相談しなさい。
少なからず力にはなってくれるだろう。」
と言った。
平助はムッとした様子で近藤を見る。
「頼りないは余計だよ!!」
怒る平助に近藤は再び笑いを上げた。
咲耶はその様子につい口を綻ばせる。
(…初めはどうなることかと思ったけど、とりあえずは一安心かな。
不安なことは沢山あるけど、今はとにかく一刻も早く未来に帰れるように頑張ろう!)