咲くやこの花、誠の旗に
「強い?」
咲耶は首を傾げた。
そんな咲耶に宗次郎がニコニコと笑いながら話す。
「剣術ですよ。咲耶さんはここが初めてですか?」
「あっ、剣術なら小さい時から習ってます!」
(お爺ちゃんが開いた小さい道場で5歳のときから剣術を習ってたんだよね。
剣を学ぶのは好きだったから稽古を休んだことは一度もないけど、強いかって言われるとよく分からないな。)
「え、そうなの!?」
咲耶の言葉を聞いた平助が驚くように声を上げた。
それから左之助も興味を示し、咲耶に問う。
「そりゃあ興味あるな!どこの道場?どこの流派だ?」
その問いかけに咲耶は黙考した。
(確か現代の剣道に流派は無いんだよね。
剣術と剣道は似ているようで全くの別物だっておじいちゃんがよく言ってた。
おじいちゃんの道場は剣術道場だったけど、そういえばなんの流派なのかは何年も習っていたのに知らないや。)
咲耶が祖父に言われていた通り、現代で主流な剣道とこの時代での剣術は全くの別物なのだ。
剣道では如何にして試合に勝つかということを学ぶが、剣術で学ぶべきことは如何にして剣を有用に操り人を斬るかということ。
咲耶はその剣術を、祖父から教わっていた。
「えーっと…。
私の祖父がやっている小さい道場で…、流派は気にしたことがなかったので分からないんですけど…。でも、剣術は10年以上習っていました!」
咲耶の話を聞いた新八がゲラゲラ笑いながら言う。
「流派を気にしたことが無いなんて聞いたことねぇ!!流派も分からない道場で10年以上って、ある意味すげえよ!!」
そんな新八に咲耶は『あはは…』と苦く笑い、誤魔化した。