勘違いも捨てたもんじゃない
「思い当たったかな…そういう事だ。解ったかな?そうする男の気持ちが」
…そんな。武蔵さんがそうだと言いたいの…。
「さあ、ご飯も済んでるし送って行こう。君の部屋がいいかな。それとも、武蔵の部屋まで送ろうか?」
武蔵さんの部屋に?…歩いて直ぐじゃない、それを送るなんて。色んなことを言われて、私はこんなに動揺して。何故こんなにも、この人に言われなくちゃいけないの。
「一人で帰れます。大丈夫です」
「それは駄目だ。そんな、放心状態で帰られては何があるか解らない。自分の部屋に帰るのなら送る。さあ、来なさい」
放心状態?…大丈夫だと言っています。
「ちゃんと帰れますから大丈夫です。…武蔵さんのところに行きます」
バッグを手に玄関へ急いだ。飛び出したところで、静かにパタンと閉じたドアにもたれた。はぁ。
……武蔵さんは言った。迎えには行かない、大丈夫か?って言った。始めから片道だけの迎え。…帰りの迎えは無い。…大丈夫かって、それって……何…。
はぁ…武蔵さんのところには行かない。
自分の部屋に帰る。……。
【今、帰っています。送って貰ってなんか無いです。私は一人で帰っています】
今までは送りたくても我慢して送っていなかったメール。そんな思いとは全然違うこのメールを今送ったら、何か感じ取ってくれるかな。
エレベーターで下まで下りた。はぁ、最寄り駅なんて、目と鼻の先。立地条件の良い場所だ。武蔵さんのマンションだって、もっと近い。目の前だ、…見えてる。
……そうする男の気持ち。武蔵さんが言った言葉じゃ無い。安住さんが言った事じゃない…。
何、落ち込んで…向きになってるのよ…。人に言われた言葉で向きになる事なんてないのに。
客観的にって、何よ。…何よ。安住さんの話は核心を突いているって言うの?…。はぁ。
「高鞍?」
「…」
「高鞍か?」
…誰よ…え、誰……ぁ、課長…。
「あぁ、やっぱり高鞍だ。…どうした、見違えたかと思ったよ。何だ、どうした?プリプリしてるみたいだが」
「え?」
「凄いな、ここら辺り、住んでるのか?」
課長が高級マンションを指していた。
「あ、いや、滅相もない。こんなところ、庶民には住めるところではありません」
給料全部つぎ込んでも無理です。
「ハハハ、だよな。じゃあ……どこからかの帰りってことなのか?
乗らないか、送るよ。あー、課長だけど、危険だと思うなら止めておきなさい。ここら辺は治安は悪く無いだろうけど、高鞍が部屋に帰る道中は危険かも知れない」
…善意はとても有り難いと思う。
「有難うございます。でも、駅も近いです、電車で帰ります」
「では待ちなさい」
「え?」
「電車で一緒に帰るから」
「え、課長、何言ってるんですか。課長は車が…」
「あー、これはパーキングに入れておけばいい」
また取りに来るって?
「そんな不経済な事、どうして。私なら大丈…」
「仕方ないだろ?車には乗らない。一人で帰るって言うんだから。自分の今の格好は記憶にあるのか?」
…ワンピースですよ?
「こんな時間に、ちょっと綺麗なそんな格好で、上着も羽織らず電車に乗って、誰かに後をつけられたらどうする。過剰なことではない。身を案じることは大事だよ。だから待ってろ」
…そんな。武蔵さんがそうだと言いたいの…。
「さあ、ご飯も済んでるし送って行こう。君の部屋がいいかな。それとも、武蔵の部屋まで送ろうか?」
武蔵さんの部屋に?…歩いて直ぐじゃない、それを送るなんて。色んなことを言われて、私はこんなに動揺して。何故こんなにも、この人に言われなくちゃいけないの。
「一人で帰れます。大丈夫です」
「それは駄目だ。そんな、放心状態で帰られては何があるか解らない。自分の部屋に帰るのなら送る。さあ、来なさい」
放心状態?…大丈夫だと言っています。
「ちゃんと帰れますから大丈夫です。…武蔵さんのところに行きます」
バッグを手に玄関へ急いだ。飛び出したところで、静かにパタンと閉じたドアにもたれた。はぁ。
……武蔵さんは言った。迎えには行かない、大丈夫か?って言った。始めから片道だけの迎え。…帰りの迎えは無い。…大丈夫かって、それって……何…。
はぁ…武蔵さんのところには行かない。
自分の部屋に帰る。……。
【今、帰っています。送って貰ってなんか無いです。私は一人で帰っています】
今までは送りたくても我慢して送っていなかったメール。そんな思いとは全然違うこのメールを今送ったら、何か感じ取ってくれるかな。
エレベーターで下まで下りた。はぁ、最寄り駅なんて、目と鼻の先。立地条件の良い場所だ。武蔵さんのマンションだって、もっと近い。目の前だ、…見えてる。
……そうする男の気持ち。武蔵さんが言った言葉じゃ無い。安住さんが言った事じゃない…。
何、落ち込んで…向きになってるのよ…。人に言われた言葉で向きになる事なんてないのに。
客観的にって、何よ。…何よ。安住さんの話は核心を突いているって言うの?…。はぁ。
「高鞍?」
「…」
「高鞍か?」
…誰よ…え、誰……ぁ、課長…。
「あぁ、やっぱり高鞍だ。…どうした、見違えたかと思ったよ。何だ、どうした?プリプリしてるみたいだが」
「え?」
「凄いな、ここら辺り、住んでるのか?」
課長が高級マンションを指していた。
「あ、いや、滅相もない。こんなところ、庶民には住めるところではありません」
給料全部つぎ込んでも無理です。
「ハハハ、だよな。じゃあ……どこからかの帰りってことなのか?
乗らないか、送るよ。あー、課長だけど、危険だと思うなら止めておきなさい。ここら辺は治安は悪く無いだろうけど、高鞍が部屋に帰る道中は危険かも知れない」
…善意はとても有り難いと思う。
「有難うございます。でも、駅も近いです、電車で帰ります」
「では待ちなさい」
「え?」
「電車で一緒に帰るから」
「え、課長、何言ってるんですか。課長は車が…」
「あー、これはパーキングに入れておけばいい」
また取りに来るって?
「そんな不経済な事、どうして。私なら大丈…」
「仕方ないだろ?車には乗らない。一人で帰るって言うんだから。自分の今の格好は記憶にあるのか?」
…ワンピースですよ?
「こんな時間に、ちょっと綺麗なそんな格好で、上着も羽織らず電車に乗って、誰かに後をつけられたらどうする。過剰なことではない。身を案じることは大事だよ。だから待ってろ」