勘違いも捨てたもんじゃない
「では、聞こう。男はみんな、独身なら遊び人ばかりなのかな?」
…これだ。いつもこうして、結果論破されてしまう方向になってる。
「それは違うと思います」
「ん。極端な話ではあるが、女好きも居れば、そうでもない者も居る。仕事の方が優先な者、恋に不器用な者も居る」
「はい」
「このくらいの年齢になれば極端だ。家庭を持っていて不思議ではない年齢だ。妻が居て、子供も居るような家庭持ちか、独身か、しか無いだろ?失礼だが、君も、人の判断で、思い込みで誤解されやすい年齢ではないのかな?」
確かに。最近考えたばかりだ。
「何か、目に見える変化があれば、もう結婚するのかと決めつけられてしまう」
手を取られた。
「このように指輪をして職場に居たら、だ」
あ、まずい。いや、まずくは無い。…まずいのか?…見られてしまった。
「これはどういった指輪なのかな?」
言わなくてもいいわよね。
「OLがよく言う、自分に買うご褒美的なものか。親から譲り受けたものか。フィアンセが居ると思わせたいフェイクなのか。本物のフィアンセからのものなのか。
それとも…、大切な人から貰った…誕生日プレゼント、といったところかな?」
…えっ?!思いっ切り顔を見てしまった。知っていて、長い前置き?
「フ…。君は面白い。正直過ぎる。はぁ…解り過ぎるではないか」
バレた…。
「だが、それだけの事だ」
「え?」
「誕生日プレゼント。普通によくある事だ、気にはならない」
決まった人が居ようと居まいと関係ないって事?誕生日に指輪のプレゼント。よくある事だと言われたら無い事では無い。でも…何故、誕生日だと解ったの?当てずっぽう?
「あれは、どこぞの店からのDMだろ?お誕生日おめでとうと書いてある。この前からあった。必要がなくなってもずっと置き去りのままならはずれだが、まあ、まず今月誕生日だ。
その指輪が誕生日当日に貰ったものなら、私が来た後の日から今日までの間の日かな?君の誕生日」
ボードにピンで刺してあったショップからのハガキ。ご来店、お待ちしてますと、添えられた言葉。猶予は一月後まである。その内、行こうかと取っておいた。興味があって知ろうとすれば、情報はどこにだって溢れているという事ね。
この人は…会社の封筒だってそうだった。
ありとあらゆる僅かな情報も逃さない。