勘違いも捨てたもんじゃない

頻繁にという訳でも無いが、浩雅が夜、出掛ける事が増えた。何も知らなければ、ただの気分転換のドライブだとか、…どこか、女性のところに、となる。
だけど今の浩雅の行き先は決まって一箇所。
他のどこにも行かない。…ある意味、一途な行動とも言える。

今夜、浩雅は出掛けた。
GPSの位置確認、少し動いてその後、場所が動かなくなったままだ。
…あいつ、携帯をわざと置いて行ったのか。忘れたのか。多分、そのどちらでもない。
ただ、そこに置いただけだと思う。

そして、新しい携帯を持ったに違いない。
全く何も持たずにでは、何かあった時、公私、どちらにしても困るから。そこは弁えているはずだ。
…これで、どこに出掛けたか解らなくするつもりなんだろうが、俺にしてみたら、余計、確証が持てたと同じになる。思い違いでは無いと思う。

……よく解った。誰にも邪魔されたく無い。浩雅が本気の攻めに入ったという事だな。
そんな女性に出会えた事、大いに喜ばしい事なんだが。それが真希以外なら、な…。

…気がついていないとも思え無い。相手が俺だとまだ知らなくても、真希には好きな人が居るという事くらい解っているだろう。
好きな相手の事は見ていたら敏感に解るものだろうから。好きな人が居ると解っても、それでも諦めたりはしないだろう。

好きな相手は好きな相手。…取られる方が悪いんだと思っているはずだ。好きならしっかり掴まえておけと。
俺は…掴まえていたいと思ってるよ。…当たり前だ。だけど…心で掴まえられていると思っていても、会えない事で寂しさを感じてしまったら、…今は埋められない…。
一緒に居られる人がいいと思って離れてしまっても、それは仕方がない事だ。
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