bajo la luz de la luna
 頭を下げて部屋を後にする部下達を見送ると、すぐに群へ電話をかけた。「俺も今かけようと思ってた所だ」という彼の言葉に微かな笑みがこぼれる。



「どうやらフランシスコの奴は、俺達の力量を確認したかったらしいな。自分の手を汚さないで済ませるとは、ある意味やり手だ。」

「死人も厭わないなんて許せないわ。少なくとも、群か誰かがああすることは向こうも予測していた筈でしょう?任務の内容が特殊ならともかく、大切なファミリーを敵地に一人で向かわせるなんて……」



 アタシなら、絶対にそんな危険なことはさせないのに。フランシスコとは、根本的に考えが違っているらしい。アイツがアタシを理解できないと言うのなら、アタシだって理解不能になるだろう。無言になってしまったアタシの心を電話越しに読んだのか、群が「おい」と声をかけてくる。



「確かにあいつは非常識かもしれねぇ。でも、それも何かに基づいて生まれたもんだろ?そこを突き止めねぇとあいつを抑えられないし、相互理解は永遠に無理ってことだぜ。」
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