神様修行はじめます! 其の五
それはともかく。
「ク、クレーターさん大丈夫!?」
ワタワタ慌てふためいていると、白い煙はあっという間に空気に紛れて消え去った。
そして姿を現したクレーターさんは……
「あれ? べつに何ともないみたいだね? いやべつにガッカリしてるわけじゃないけど」
「なにを慌てているのだ? 私はこれを箱から取り出しただけだ」
そう言うクレーターさんの手には、小型の木製ハンマーが握られていた。
余分な飾りのないそのハンマーは、子どもの頭くらいの大きさで、持ち手に朱色の房がついている。
見たところずいぶん古い品らしいけど、普段から良く磨かれているのか艶々とした光沢があって、骨董的な上品さを感じさせる古さだ。
……ん? ちょっと待て? これを箱から取り出したって言わなかった?
「それって物理的に不可能じゃない? だって小箱は手の平サイズだよ? ハンマーの方が大きいじゃん」
「まだ若いのにそんな常識にとらわれるとは、頭が固いぞ滅火の娘。世の常識を覆してこその宝物だ」
「え? この小箱って宝物なの?」
「そうだ。門川先祖伝来の家宝、『六徳蒔絵小箱』だ」
「りっとく、まきえこばこぉ? りっとくってなに?」
「六徳とは、数の単位だ。刹那の十分の一で、虚空の十倍に当たる」
「あーごめんなさい。説明されてもぜんぜん意味わかんないですー」
「簡単に説明すれば、見た目よりもたくさん物が収納できる小箱なのだ。これは」
「えー!? つまり、四次元ポケットの箱バージョン!?」
うわお! リアル・ドラ◯もんの世界だ! 夢のアイテムが現実に存在しちゃってるんだね!
門川の宝物庫って、本当にすごい。魔法みたいに便利な物がたくさんあるんだろうなぁ。
想像するだけでワクワクする。ぜひ今度じっくり見て回りたい。見学ツアーとかってないのかな?
「ク、クレーターさん大丈夫!?」
ワタワタ慌てふためいていると、白い煙はあっという間に空気に紛れて消え去った。
そして姿を現したクレーターさんは……
「あれ? べつに何ともないみたいだね? いやべつにガッカリしてるわけじゃないけど」
「なにを慌てているのだ? 私はこれを箱から取り出しただけだ」
そう言うクレーターさんの手には、小型の木製ハンマーが握られていた。
余分な飾りのないそのハンマーは、子どもの頭くらいの大きさで、持ち手に朱色の房がついている。
見たところずいぶん古い品らしいけど、普段から良く磨かれているのか艶々とした光沢があって、骨董的な上品さを感じさせる古さだ。
……ん? ちょっと待て? これを箱から取り出したって言わなかった?
「それって物理的に不可能じゃない? だって小箱は手の平サイズだよ? ハンマーの方が大きいじゃん」
「まだ若いのにそんな常識にとらわれるとは、頭が固いぞ滅火の娘。世の常識を覆してこその宝物だ」
「え? この小箱って宝物なの?」
「そうだ。門川先祖伝来の家宝、『六徳蒔絵小箱』だ」
「りっとく、まきえこばこぉ? りっとくってなに?」
「六徳とは、数の単位だ。刹那の十分の一で、虚空の十倍に当たる」
「あーごめんなさい。説明されてもぜんぜん意味わかんないですー」
「簡単に説明すれば、見た目よりもたくさん物が収納できる小箱なのだ。これは」
「えー!? つまり、四次元ポケットの箱バージョン!?」
うわお! リアル・ドラ◯もんの世界だ! 夢のアイテムが現実に存在しちゃってるんだね!
門川の宝物庫って、本当にすごい。魔法みたいに便利な物がたくさんあるんだろうなぁ。
想像するだけでワクワクする。ぜひ今度じっくり見て回りたい。見学ツアーとかってないのかな?