神様修行はじめます! 其の五
 そして、白い術光の中で横たわる子猫ちゃんの姿を見る。


 目を背けたくなるような無残な姿は、四肢がダラリと弛緩して、完全に力を失ってしまっていた。


 どんなに目を凝らしても、その体から生命を感じさせるようなものは一切見られないけど……


 それでも門川君の治癒術は、力尽きた子猫ちゃんを包み込んで、気高く輝き続けている。


 万にひとつの可能性に賭けて、願いを、望みを繋ごうとしているんだ。


 強靭な意思の証明であるその輝きを前にして、あたしは、無意識につぶやいていた。


「……やるしか、ないじゃん」


 叶わなかった願い。届かなかった望み。


 打ち捨てられた夢の残骸たちを、あたしはこれまで山ほど見てきた。


 月は、願いを叶えてくれない。うたかたの夢や、切ない希望や、悲しい涙は有り余るほど地上に溢れかえっている。


 それでも人々は、永遠に願うことをやめないだろう。


 それは、『叶えたい』という想いが真実だから。


 心の底から自分の望みを叶えたいと、本当の本当に望んでいるからだ。


 だったら、どうする? なにをする?


 たとえ叶わぬ願いでも、本当に望んでいるものを目の前にして、あたしはどうしたいんだ?


 ……その答えは、しま子から受け継いだ。


『願いは、自分自身が叶えるしかない』

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