神様修行はじめます! 其の五
『しまった、捕まった!』と全身から血の気が引くと同時に、ほとんど無意識に滅火の術が発動していた。


 滅火の炎が盾のように、あたしの体に接触するギリギリのところで、入道の炎をなんとか防いでいる。


 薄い壁一枚程度しかないけど、ひとまず安全な空間であたしは大きく息を吐いた。


 なんとか即死は免れたけど、敵の炎に取り囲まれてしまっているという危機的状況に変わりはない。


 でも絶対に負けるわけにはいかないんだ!


 あたしはギュッと目を瞑り、ここから一気に巻き返しを狙って、精神集中を始めた。


 とたんに鼓動がバクンと跳ね上がり、熱い血がドクドクと新幹線みたいに全身を駆け巡る。


 体中の細胞が活性化して、飛躍的に戦闘意欲が高まっていくのが分かった。


 いいぞいいぞ。この状態は『水を得た魚』ならぬ、『火を得た天内里緒』状態。


 そうだ、燃えろ! どこまでもどこまでも熱く燃えろ!


 あたしご自慢の滅火の炎で、太古の炎を焼き尽せ!


―― ゴオォォッ!


 滅火の炎がどんどん勢いを増していく。


 アドレナリン分泌しまくりの興奮状態のおかげか、かつてないほど容易に力がMAXまで高まった。


 やったぜ! この調子なら、うまくいくかも!
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