神様修行はじめます! 其の五
 ゾッと鳥肌が立った。


 視線を上げ、真っ直ぐ顔を上げた地味男の両目に宿る、その光の凄まじさ。


 細い一重の目の奥から漏れ出る爛々とした光の強さが、言葉に表せぬほどの凄みを湛えている。


 思わずこっちが後ずさってしまうほど鬼気迫るその表情が、明確に彼の意思を伝えていた。


 彼は、なにも諦めてはいない。


 地味男が身に纏っている張りつめた空気は、敗北を認めたからじゃないんだ。


 これは……


 勝負を仕掛ける者の目だ!


 あたしは無意識にサッと身を引きながら、地味男の様子を警戒した。


 絶対きっとまた、なにか面倒なことを仕掛けてくる! 彼の全身に満ちる気迫が、まさにそう告げている!


 でもいったい、なにをしてくるつもりだろう?


 地味男の手駒はもう全部、使い果たしてしまったはずなのに。


「……!」


 門川君が、何かに気づいたようにハッとこっちを振り向きながら、素早く両手で印を組んだ。


 彼の足元に術陣が浮かび上がり、白い輝きが四方に放たれる。


 急に術を発動し始めた門川君の表情に、強い焦りを見たあたしは、とっさに身構えながら彼の視線を追った。


 もしかして新手の敵!? どこ!?
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