神様修行はじめます! 其の五
「水園! 水園――!」
クレーターさんが大声で叫びながら巨大な腕に飛びつこうとしたけれど、ブンッと振り払われてしまった。
ボーリングみたいに勢いよく床を転がったクレーターさんは壁と激突して、グッタリ動かなくなってしまう。
「クレーターさん!」
「しまった! あれは『底なし穴』じゃ! 見つかってしもうたか!」
「絹糸、あれはなんなの!? 『底なし穴』って!?」
「門番じゃ。異界の入り口に近づいた者を生け贄として中へ引きずり込む。一度あの手に捕えられたが最後、二度と逃れることはできぬ」
「できぬって、そんな! 水園さん捕えられてるのに!?」
大きな手の中に親ゆび姫のように握られた水園さんは、異界の毒気に当てられたのか、気を失ってしまっている。
もともと色白な彼女の顔からみるみる血の気が引いていって、まるで上質な紙のように白くなってしまった。
「生気を吸い取られておる! あれではすぐに死んでしまうぞ! 永久、なんとかせい!」
門川君が素早く両手で印を組み、術を発動しようとした。
けど、さすがの彼も大技連発で力を使い果たしてしまったようで、まったく気が高まる気配がない。
「く……!」
苦しそうに顔を歪める門川君を見かねて絹糸が立ち上がろうとしたけど、呻き声をあげてその場にうずくまってしまう。
治りきらない傷口から、また大量に赤い血がにじみ始めている。あんなひどいケガしてるのに戦うなんて無理だよ!
―― ズズッ……
そうこうしている間に、『底なし穴』がゆっくりと下へ沈んでいって、あたしは悲鳴を上げた。
水園さんを引きずり込もうとしてる!
待った待った待ったー! その手の中の美人をどうするつもりよ!
嫁にでもするつもりか!? いや無理だわ絶対! 今すぐ諦めろ!
クレーターさんが大声で叫びながら巨大な腕に飛びつこうとしたけれど、ブンッと振り払われてしまった。
ボーリングみたいに勢いよく床を転がったクレーターさんは壁と激突して、グッタリ動かなくなってしまう。
「クレーターさん!」
「しまった! あれは『底なし穴』じゃ! 見つかってしもうたか!」
「絹糸、あれはなんなの!? 『底なし穴』って!?」
「門番じゃ。異界の入り口に近づいた者を生け贄として中へ引きずり込む。一度あの手に捕えられたが最後、二度と逃れることはできぬ」
「できぬって、そんな! 水園さん捕えられてるのに!?」
大きな手の中に親ゆび姫のように握られた水園さんは、異界の毒気に当てられたのか、気を失ってしまっている。
もともと色白な彼女の顔からみるみる血の気が引いていって、まるで上質な紙のように白くなってしまった。
「生気を吸い取られておる! あれではすぐに死んでしまうぞ! 永久、なんとかせい!」
門川君が素早く両手で印を組み、術を発動しようとした。
けど、さすがの彼も大技連発で力を使い果たしてしまったようで、まったく気が高まる気配がない。
「く……!」
苦しそうに顔を歪める門川君を見かねて絹糸が立ち上がろうとしたけど、呻き声をあげてその場にうずくまってしまう。
治りきらない傷口から、また大量に赤い血がにじみ始めている。あんなひどいケガしてるのに戦うなんて無理だよ!
―― ズズッ……
そうこうしている間に、『底なし穴』がゆっくりと下へ沈んでいって、あたしは悲鳴を上げた。
水園さんを引きずり込もうとしてる!
待った待った待ったー! その手の中の美人をどうするつもりよ!
嫁にでもするつもりか!? いや無理だわ絶対! 今すぐ諦めろ!