神様修行はじめます! 其の五
って、異形を諭したところで通じるわけもない。
門川君も絹糸も戦えないなら、あたしがやるしかない!
「行くぞ! 覚悟しろ『底なし穴』!」
威勢よく声を張り上げて精神を集中しようとした途端、心臓に『ドクン!』と激痛が走って、破裂しそうになった。
「ゲホッ……!?」
冗談でもなんでもなく、ビョンと飛び上った心臓がノドを圧迫する感じがして、目を剥いて咳き込む。
そのままヒザから崩れ落ち、あたしは背中を丸めて震えながら思い切り吐いてしまった。
うぅ、頭、燃えるように熱くて痛い……。中から膨張して爆発しちゃう……。
心臓が狂ったようにバクバク暴走してる。今にも胸骨を突き破って体の外へ飛び出しそうだ。
「天内くん、無理をするな!」
慌てて駆け寄ってきた門川君があたしを抱き起こし、胸の中にしっかりと抱え込んだ。
「門川君……」
「キミも限界なんだ! そのまま力を使おうとすれば、キミの方が先に命を落とすぞ!」
「で……でも……水園さんを助けなきゃ……」
全速力でフルマラソンを完走しきったみたいに息が苦しい。
体の震えが止まらないし、鼓動は大太鼓みたいに鳴り響いているし、ノドの奥が笛みたいにヒューヒュー鳴ってる。
泣くつもりなんてないのに、涙が勝手にボロボロ流れて止まんない。
マジで、死にそう……。でも水園さんを見殺しになんてできないよ!
「よせ天内君! 今すぐ術の発動を止めろ!」
「ゼェ……ゼェ……」
『底なし穴』はゆっくりと、でも待ったなしで下へ下へと沈んでいく。
ノンビリ回復を待ってる余裕はないんだよ。今やらなきゃ、水園さんは助からない。
「頼むからやめてくれ天内君! キミが死んでしまう!」
滅火の発動をやめようとしないあたしに、門川君が悲愴な声を上げる。
彼の言葉通り、すぐにあたしの体は限界を迎えて、ついに息を吸い込めなくなってしまった。
胸を掻き毟り、身を反り返しながら悶え苦しみ、目の前がスーッと暗くなっていって……。
―― ふわり……
意識が完全に暗転する寸前、視界の端で、袴が揺れた。
あたしと門川君のすぐ横を、誰かが通り過ぎる気配がする。
だれ……?
……地味男?
門川君も絹糸も戦えないなら、あたしがやるしかない!
「行くぞ! 覚悟しろ『底なし穴』!」
威勢よく声を張り上げて精神を集中しようとした途端、心臓に『ドクン!』と激痛が走って、破裂しそうになった。
「ゲホッ……!?」
冗談でもなんでもなく、ビョンと飛び上った心臓がノドを圧迫する感じがして、目を剥いて咳き込む。
そのままヒザから崩れ落ち、あたしは背中を丸めて震えながら思い切り吐いてしまった。
うぅ、頭、燃えるように熱くて痛い……。中から膨張して爆発しちゃう……。
心臓が狂ったようにバクバク暴走してる。今にも胸骨を突き破って体の外へ飛び出しそうだ。
「天内くん、無理をするな!」
慌てて駆け寄ってきた門川君があたしを抱き起こし、胸の中にしっかりと抱え込んだ。
「門川君……」
「キミも限界なんだ! そのまま力を使おうとすれば、キミの方が先に命を落とすぞ!」
「で……でも……水園さんを助けなきゃ……」
全速力でフルマラソンを完走しきったみたいに息が苦しい。
体の震えが止まらないし、鼓動は大太鼓みたいに鳴り響いているし、ノドの奥が笛みたいにヒューヒュー鳴ってる。
泣くつもりなんてないのに、涙が勝手にボロボロ流れて止まんない。
マジで、死にそう……。でも水園さんを見殺しになんてできないよ!
「よせ天内君! 今すぐ術の発動を止めろ!」
「ゼェ……ゼェ……」
『底なし穴』はゆっくりと、でも待ったなしで下へ下へと沈んでいく。
ノンビリ回復を待ってる余裕はないんだよ。今やらなきゃ、水園さんは助からない。
「頼むからやめてくれ天内君! キミが死んでしまう!」
滅火の発動をやめようとしないあたしに、門川君が悲愴な声を上げる。
彼の言葉通り、すぐにあたしの体は限界を迎えて、ついに息を吸い込めなくなってしまった。
胸を掻き毟り、身を反り返しながら悶え苦しみ、目の前がスーッと暗くなっていって……。
―― ふわり……
意識が完全に暗転する寸前、視界の端で、袴が揺れた。
あたしと門川君のすぐ横を、誰かが通り過ぎる気配がする。
だれ……?
……地味男?