神様修行はじめます! 其の五
異界の道はどんどん狭まっている。完全に閉じるのも時間の問題だ。
それにつれて、『底なし穴』がふたりを引っ張るスピードが速くなっていった。
このままじゃ本当に、ふたりとも異界に引きずり込まれてしまう!
「水園殿、早く手を放しなさい」
地味男が、徐々に近づく背後の脅威を振り返りながら言った。
「私はもう、あなたの手を振り払う力も残っていないのです。だからあなたが、私の手を放しなさい」
「嫌です! 絶対に嫌!」
両腕を引っ張られる形でズルズル引きずられる水園さんの姿は、まるで引き回しの刑を受けている罪人みたいに見えた。
あれは、相当に苦しいはずだ。
両腕は筋が切れそうに痛むし、肩は付け根からすっぽ抜けるんじゃないかと思うくらい負荷がかかるんだ。
床に擦れる胸も腹も痛むし、水園さんの白い両腕は、散乱したガレキの破片によって傷つけられて血がにじんでいた。
蝶よ花よと大切に育てられ、おハシより重いものなんか持ったこともなさそうな彼女にとって、拷問みたいな苦痛だろう。
それでも彼女は必死の形相で地味男の手を強く握り、決して放そうとしない。
「私は『持たざる者』! 生き延びる価値のない人間なのです! ずっとずっと……それを一番自分で分かっていながら、ぶざまに生き続けてきました!」
それにつれて、『底なし穴』がふたりを引っ張るスピードが速くなっていった。
このままじゃ本当に、ふたりとも異界に引きずり込まれてしまう!
「水園殿、早く手を放しなさい」
地味男が、徐々に近づく背後の脅威を振り返りながら言った。
「私はもう、あなたの手を振り払う力も残っていないのです。だからあなたが、私の手を放しなさい」
「嫌です! 絶対に嫌!」
両腕を引っ張られる形でズルズル引きずられる水園さんの姿は、まるで引き回しの刑を受けている罪人みたいに見えた。
あれは、相当に苦しいはずだ。
両腕は筋が切れそうに痛むし、肩は付け根からすっぽ抜けるんじゃないかと思うくらい負荷がかかるんだ。
床に擦れる胸も腹も痛むし、水園さんの白い両腕は、散乱したガレキの破片によって傷つけられて血がにじんでいた。
蝶よ花よと大切に育てられ、おハシより重いものなんか持ったこともなさそうな彼女にとって、拷問みたいな苦痛だろう。
それでも彼女は必死の形相で地味男の手を強く握り、決して放そうとしない。
「私は『持たざる者』! 生き延びる価値のない人間なのです! ずっとずっと……それを一番自分で分かっていながら、ぶざまに生き続けてきました!」