失恋相手が恋人です
月曜日から本当にどうしようかと眉間に皺を寄せて考え込んでいたら。

葵くんがそっと私にキスをして。

私をふわっと横抱きにする。

すぐ近くに葵くんの綺麗な顔が迫る。

「きゃあっ!?」

身体が浮かんで思わず叫ぶ私。

「……四年ぶりに再会したんだから。
もうそんなこと考えない……ていうか考えることができないようにしていい?」

甘く妖しい光を綺麗な瞳にたたえて、葵くんは真っ直ぐ強い視線で私を見つめる。

落ちないように葵くんの首に手をまわして。

カアッと真っ赤に染まった顔を葵くんの肩に隠す。

「……葵……くん」

「沙穂を俺にちょうだい」

切なくて色気の漂う甘い声に。

ますます熱の上がる私の頬。

それでも何とか頷いて。

葵くんの綺麗な瞳を見つめる。

葵くんはふわっと優しい、でも妖しげな微笑みを浮かべて。

私は目を逸らすことができずに。

閉ざされていた寝室のドアがカチャリと開いて。

「……月曜日までここにいて。
……っていうか……帰さない」

私の耳たぶを噛みながら、色気を含んだ声で囁く葵くん。

ビクッと肩があがって。

私の心臓は狂ったように大きな音をたてはじめる。

そっとベッドに私をおろして。

コツンと私と額を合わせて私の身体をその長い腕と足で閉じ込める。

「……沙穂」

何か言いたいのに。

私だけを映す綺麗な瞳から目を離せなくて。

言葉が頭から消え去ってしまったみたいだ。

「ここに……本当にいるんだよな?」

その切な気な掠れた声に。

私の想いが溢れだす。

「……いるよ、ここに」

それだけ言うことが精一杯。

胸の中にこみ上げる葵くんへの想い。

それは私の身体中に広がって。

その熱をもて余して。

目の前の葵くんに伝えたくてたまらなくなる。

葵くんの頬にソロソロと伸ばした指を掴まれて。

指の一本、一本にキスをされて。

私の口の中はカラカラで。

顔は更に真っ赤に染まる。

「沙穂……もう離さないから……」

言葉とともに葵くんの唇が私に触れる。







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