失恋相手が恋人です
後ろから三列目の一番窓際の席。

そこに座って、ただ、窓の外をじっと見ていた。

何を見ているんだろう……。

わからないまま、だけど、とても綺麗な横顔に私は見とれていた。

しばらくして。

カタン、と乾いた音をさせて。

彼は机の上に置いてあった鞄を手に立ち上がった。

当たり前だけど、私には目もくれず。

まるで私の存在には気が付いていないように。

タン、タンタン……。

私のすぐ近くの通路を上がる音。

長い足に均整のとれた身体。

名前も何も知らない人だけれど。

初めて会った人だけれど。

とても目をひく容姿だけれど。

それだけではなくて。

何か。

言葉にできないけれど。

私の中に強い印象が残った。









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