失恋相手が恋人です
恐らく萌恵は私が本館に通っていることを気付いていただろうけれど。
何も言わなかった。
私も特にその事には触れずに、相変わらずの本館通いを繰り返し、季節は真夏の八月後半を迎えていた。
勿論夏休みで、大学に通う必要はないけれど。
専攻教科の教授から出された課題はあった。
「夏休みなのに、大学生なのに、本当にいつまでも宿題はあるのね……」
眉間に皺を寄せながら萌絵が言う。
「萌絵、声大きいよ……」
資料を片手に私は慌てて口に人差し指を立てる。
「そうだよ、しかも何で俺まで?」
ブツブツ言いながら私達では背が届かない資料を書架から取ってくれる吏人くん。
「いいじゃない、どうせ会う予定だったんだし」
「会う予定、の内容が違うだろっ
全くお前は人使いが荒い……」
ペロッと舌を出す萌恵の代わりに私は吏人くんに声をかける。
「ごめんね、吏人くん。
せっかくデートの予定だったのに……。
図書室で資料集めになっちゃって。
しかも私までいるし」
「いや、沙穂ちゃん、全然悪くないから!
分担された課題をやりきれていないの萌恵だし」
「違うわよ!
わからなくなっただけでしょっ。
沙穂に聞いてるだけだもん」
「いや、絶対萌恵は忘れてただろ、課題」
「何よ、吏人だってまだ終わっていないくせに」
「だから図書室にいるんだろうが」
「何ですってぇ」
「ふ、二人とも静かに、静かに!」
夏休みに教授が分けたグループ毎に出された課題がまだ終わっていない私たちは図書室で作成しようということになて。
そうしたら、たまたまその日がデート予定だった吏人くんも自身の課題が終わっていないということでそのまま三人で課題作成となった。
せっかくのデートの日なのだから別の日にしようと萌恵に言ったのだけれど。
萌恵もバイトのシフト等がうまく合わなくて結局今日になってしまったのだ。
……二人のデートを完全に邪魔している私は気まずいけれど。
何も言わなかった。
私も特にその事には触れずに、相変わらずの本館通いを繰り返し、季節は真夏の八月後半を迎えていた。
勿論夏休みで、大学に通う必要はないけれど。
専攻教科の教授から出された課題はあった。
「夏休みなのに、大学生なのに、本当にいつまでも宿題はあるのね……」
眉間に皺を寄せながら萌絵が言う。
「萌絵、声大きいよ……」
資料を片手に私は慌てて口に人差し指を立てる。
「そうだよ、しかも何で俺まで?」
ブツブツ言いながら私達では背が届かない資料を書架から取ってくれる吏人くん。
「いいじゃない、どうせ会う予定だったんだし」
「会う予定、の内容が違うだろっ
全くお前は人使いが荒い……」
ペロッと舌を出す萌恵の代わりに私は吏人くんに声をかける。
「ごめんね、吏人くん。
せっかくデートの予定だったのに……。
図書室で資料集めになっちゃって。
しかも私までいるし」
「いや、沙穂ちゃん、全然悪くないから!
分担された課題をやりきれていないの萌恵だし」
「違うわよ!
わからなくなっただけでしょっ。
沙穂に聞いてるだけだもん」
「いや、絶対萌恵は忘れてただろ、課題」
「何よ、吏人だってまだ終わっていないくせに」
「だから図書室にいるんだろうが」
「何ですってぇ」
「ふ、二人とも静かに、静かに!」
夏休みに教授が分けたグループ毎に出された課題がまだ終わっていない私たちは図書室で作成しようということになて。
そうしたら、たまたまその日がデート予定だった吏人くんも自身の課題が終わっていないということでそのまま三人で課題作成となった。
せっかくのデートの日なのだから別の日にしようと萌恵に言ったのだけれど。
萌恵もバイトのシフト等がうまく合わなくて結局今日になってしまったのだ。
……二人のデートを完全に邪魔している私は気まずいけれど。