失恋相手が恋人です
「まぁ、桧山くん、むやみに話しかけられること嫌うらしいから。
遠巻きに見てる女子が殆どだったんだけど。
アイドル顔負けの注目度だったわ」

そう言って萌恵は肩をすくめた。

「そ、っか……」

何とも言えずに私は小さな声で相槌を打った。

それから。

考え込みそうになる気持ちを振り払うように。

「萌恵、私、お昼買いに行くけど、何かいる?」

テーブルに置かれた萌恵のサンドイッチとカフェオレのグラスを見ながら声をかける。

「ううん、今はいらない。
また後で買いに行く。
ありがと」

「じゃ、私、パン買ってくるね!」

「えっ?外に買いに行くの?」

踵を返して食堂の出入り口に向かう私の背中に萌恵が声をかける。

私は振り返り、手を振った。
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