失恋相手が恋人です
再び食堂の外に出ると、ムワッとした熱気に襲われた。
その隙間で、一瞬吹いた風が私の髪を後ろにさらう。
「もう夏だなぁ……」
空を見上げ、財布だけを持っている左手を、高い位置にある太陽にかざす。
夏が近くなると意味もなく、ワクワクする気持ちは小さな頃から。
見上げていた顔の位置を戻した途端。
ガクン。
後ろに引っ張られた。
「いたっ……」
髪の毛が真後ろにいた人の何かに引っかかってしまったみたいだった。
「……動かないで」
背後から、いきなり聞こえた低い落ち着いた声。
その声は初めて聞く、とても優しい男性の声だった。
後ろを振り返ることができないので、とりあえず私はじっとしている。
「あの……すみません」
髪が引っかかるほど近くに人がいたことへの驚きと恥ずかしさを隠しつつ、絡まった髪を何とかしようとしてくれている男性に謝る。
「何が」
「いえ、あの、髪を……」
「……切るの嫌?」
「へ?」
あっさりした質問に思わず間抜けな返事を返す。
「…取るの時間かかりそうだから、急いでるんじゃないの?」
「あ、いえ。急いではないですけど……
切った方が良かったから、こう、ブチっといっちゃってください」
その隙間で、一瞬吹いた風が私の髪を後ろにさらう。
「もう夏だなぁ……」
空を見上げ、財布だけを持っている左手を、高い位置にある太陽にかざす。
夏が近くなると意味もなく、ワクワクする気持ちは小さな頃から。
見上げていた顔の位置を戻した途端。
ガクン。
後ろに引っ張られた。
「いたっ……」
髪の毛が真後ろにいた人の何かに引っかかってしまったみたいだった。
「……動かないで」
背後から、いきなり聞こえた低い落ち着いた声。
その声は初めて聞く、とても優しい男性の声だった。
後ろを振り返ることができないので、とりあえず私はじっとしている。
「あの……すみません」
髪が引っかかるほど近くに人がいたことへの驚きと恥ずかしさを隠しつつ、絡まった髪を何とかしようとしてくれている男性に謝る。
「何が」
「いえ、あの、髪を……」
「……切るの嫌?」
「へ?」
あっさりした質問に思わず間抜けな返事を返す。
「…取るの時間かかりそうだから、急いでるんじゃないの?」
「あ、いえ。急いではないですけど……
切った方が良かったから、こう、ブチっといっちゃってください」