悪役の私







「あ…。あはっ、なんだ、嬉しくないのかと思っちゃったよっ!んー、手編みかぁっ!すごいね、さきちゃんはっ!」




私は頭を掻きながらおどけて笑う。



「そんなことないよ。…西沢さんからもらえて、すごく嬉しい。」




「うん。」




手編みのマフラーか…。




私にはそんな発想全くなかった。




マフラー編むのなんて大変だし、出来ても絶対不恰好で恥ずかしいなんて思ってしまう。




でも、きっとさきちゃんも難しくて大変な思いをしながら編んだんだよね。




そして、そのマフラーをもらった優は、喜んだんだろうなぁ。




絶対にさきちゃんよりも私の方が優を好きな自信はあるのに。




悔しくて悔しくてしょうがない。



何度も泣きそうになってきっと真っ赤になってる顔を、私はお酒を飲んで誤魔化した。








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