悪役の私





「本日はご来店ありがとうございます。
当店では貸切の露天風呂をご用意させて頂いておりますが、ご利用はいかがなさいますか?」



PM3:00



ホテルの受付の方の言葉に固まる私達。




貸し切り露天風呂ってつまり、一緒にお風呂入るってこと…?



目を見開いたまま見つめ合う私たち。



恥ずかしい。

…恥ずかしすぎる。



でも、せっかくなら…




「…はい、じゃあ、お願いします」



隣の優が答える。




「かしこまりました、それではお時間の方をーーー」




…昨日、ちゃんとお手入れして来て良かった。



優が手続きをしてくれている間、私はずっと心臓がバクバクして話なんて聞ける状態じゃなかった。




「西沢さん!」



「はっ!はい!」



「プッ、女性には浴衣貸してるんだって」



「なに笑ってるの…」



いじけている私をみて、優は更に笑う。



「これにしてよ、絶対似合うと思う」










< 56 / 181 >

この作品をシェア

pagetop