浅葱色の妖

藤堂さんが持ってきてくれて私が頼んで持ってきてくれてを繰り返すこと18回。



私は19杯も白米をたいらげたようだった。



豪快そうな男が「ありゃあトシに追いつくなあ」と呟いたのが聞こえた。



私が箸を置いた瞬間、襖が開いて土方さんが入ってきた。



「食い終わったか」



土方さんは短く言った。



その言葉に藤堂さんがすぐさま反応した。



「この子19杯も食べたんですよ!可愛い顔して食欲は横綱級です!」



横綱って…。



確かに私は狐の里でもよく食べる方だったけどそれはないでしょ。
< 80 / 129 >

この作品をシェア

pagetop