浅葱色の妖

このことを早く忘れようと、私はどすどすと足音を踏み鳴らしながら歩いた。



さっきの人が教えてくれた通りに歩くと、見覚えのあるところについた。



ふすまを開けると、私がさっきまで着ていた服が置いてあった。



たしかにここは土方さんの部屋みたいだ。



ここでぼーっとしている場合じゃない。



これからどうするか、しっかりと考えておこう。



さっき名字を聞かれた時みたいに不自然な反応をとってしまったら、きっと怪しまれてしまう。



特に土方さん。



彼の観察眼は鋭い。おまけに頭の回転も速いような印象を受けた。



出会ったばかりだからよくわからないけど、用心した方がよさそうだ。



他にはまだそんな人は見ていないような気もする。



藤堂さんはどこか抜けているような気もするし、近藤さんは人のことをすぐに信用するような人だ。



あの名前も知らない色黒の男のことはよくわからないけれど。


まあ私にわざわざ関わってくるようなことはないだろう。
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