浅葱色の妖

「別にお前のためってわけじゃねぇよ。俺ぁただ、近藤さんに頼まれたから」


なんだ。


近藤さん、やっぱりいい人だなあ。


「わかったら人の顔じろじろ見てねぇでさっさと食堂へ行って来い」


「食堂ってどこですか?」


食堂の場所もわからないのに、さっさと食堂へ行けなんて無責任すぎる。


「食堂はまっすぐ行ってそこの角を曲がって大部屋の横を通って右に行ったところだ」


またこのパターン…


本当にここ、複雑な構造過ぎるよ…


「あのー、もう一回言ってもらっていいですか?」


私は色黒の男よりも短気な土方さんをたったの二回目で怒らせながらも、これを六回続けたのだった。




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