新選組と最強少年剣士
笑いが込み上げてきた。


自分が何を言っているのかがわからない。


この神が何を言いたいのかもわからない。


「ねぇ?何で僕の前に現れたの?何を言いに来たの?」


ラウさんに近づき、その綺麗な顔を包み込むように手を添える。


「っ、」


その手を下に下ろしていき、首に手を添える。


僕はそっとラウさんを押し倒し、手に力を込める。


「抵抗しないの‥‥‥?」


「‥‥‥‥」


「お前を殺したい。こんな所に連れてきたお前を。こんな、こんな‥‥‥」


目の前が滲む。


流れ出て止まらない感情が、ラウさんの服に斑点を作っていく。


一つ、また一つ。


「こんなところに来なければ‥‥‥こんな迷うことなんかなかったのに‥‥‥!!」


「‥‥‥剣‥‥」


「もう、もう‥‥‥」


馬鹿馬鹿しくなり、全身の力を抜く。


手がだらんと垂れる。


「剣」


耳元でラウさんの声がした。


刹那的、僕の瞼は自然と下りてくる。


「眠れ」


ふたたび瞼が上がることはない。


「大丈夫だ。大丈夫」


背中に回った暖かい手が、僕の呼吸に合わせて優しく叩かれる。


言い様のない安心感と共に、僕は意識を手放した。





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