永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


「…………」

「あー………」


だんまりな、つぐみちゃん。

相変わらず、口下手だなぁ……。

それにしても、どうして私を尋ねてきたのかな?

そう考えてその手にくしが握られているのに気づいた。


あ、もしかして……。


「つぐみちゃん、くし貸して」

「うん」


つぐみちゃんは私にくしを渡すと、背中を向ける。

やっぱり、これは髪を梳かして欲しいって意思表示だ。


「つぐみちゃんの髪はサラサラしてて、綺麗だね」

「~♪」


鼻歌を唄うつぐみちゃんに、私は笑う。

ご機嫌みたいで良かった。

つぐみちゃんはこうして不器用に甘えてくる。

圭ちゃんと同い歳なのに、性格は真逆だ。



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