【完】もっとちょうだい。
ふみ君は笑い飛ばした。

「だろうなー」って。


そっかふたりは長い付き合いだから、分かり合ってんのか……っておもうとむかつくなぁ。


「あの怪我ってさー。ヒーローごっこしてて木から落ちて骨折だからね?まじでダサいしどこがヒーローだよって笑われたんだよ」


「あ、それは覚えてる」


「あ、まじ?あれひどかったよなぁ?」


芙祐は頷きながら笑っている。
何、この雰囲気。置いていくなよ。


「自業自得だって親も周りも言うんだけど、俺ほんとはめっちゃくちゃ落ち込んでて。芙祐だけだよ。あの時『ふみ君が落ちたから、あの木は危ないってみんなわかったんだよ?それってヒーローじゃないの?』って言ってくれたの。これ覚えてる?」


「ぜんぜん覚えてない」


ぶれないな。

それと、そうやって人のことさっと救っちゃうようなとこも、ずっとぶれないんだな。


芙祐は、看護師に向いてるよ。

きっと自覚無しに救ったりするんだろ。とくにメンタル。

俺も、多分ふみ君も、確信してる。




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