もう一度だけでも逢えるなら
 あれだけの高さから飛び降りたのに生きてるなんて、あなたはいったい何者なの?! みくさんが不思議がるのは当たり前。

 何者でもいい! 早くそこから降りてこい! 

 怖くて降りられないのよー!

 困った人だな! 俺が助けに行くから待ってろ!

 

 水樹は再び鉄塔を登り始めた。

 みくさんは泣きながら鉄塔にしがみつき、水樹の到着を待つ。

 水樹は懸命に鉄塔をよじ登り、みくさんの元に到着した。

 普通の人なら、俺の手に掴まれ。と言える。水樹はそれが言えない。

 どうにか自力で降りてもらうしかない。



 ゆっくりでいいから、ゆっくりでいいから、一歩一歩降りるんだ。

 う、うん……。

 みくさんは水樹に励まされながら、二人で一緒に鉄塔を降りた。
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