もう一度だけでも逢えるなら
 私……ごめんなさい。みくさんは水樹に向かって頭を下げた。

 二度と馬鹿なことはするな。水樹はみくさんを叱った。

 大丈夫なの?

 大丈夫だ。

 あなたは、スーパーマン?

 スーパーマンじゃない。ただの中年男だ。

 そうは見えないけどな。あの高さから飛び降りて、ぴんぴんしてるなんてさ。

 たまたま運がよかっただけだ。

 そっか。私は、まやまみく。あなたの名前は?

 俺の名は、水樹だ。

 水樹ー! みくさんは、水樹の体に抱きつこうとした。

 ちょっと待て。水樹は慌てて交わした。

 抱きつかせてくれたっていいじゃない。

 ダメだ。

 ケチー。つまーんないの。

 早く家に帰れ。

 帰りたくない。私と一緒にいて。

 大切な約束があるからダメだ。

 一緒にいてくれないと、また鉄塔に登るよ。今度は本当に飛び降りて死ぬよ。私が死んでもいいの?

 冗談だろ。

 冗談じゃないよ。本気だよ。

 …………わかった。



 水樹とみくさんは、しずく第二公園に向かった。
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