イケメン御曹司のとろける愛情
 ってことは、もしかして経営者とか? ひえー。出向先は大手で出向元では経営者なんて。

「その若さで会社をお持ちとはすごいですね……」

 思わずつぶやくと、水無川さんは困ったような顔をした。

「いや、ミナガワ・エンジニアリングは祖父が興した会社で、今の社長は父だよ。ミナガワのほかに六社が出資して、インフィニティ・エアクラフトを創設したんだ」

 つまり、インフィニティ・エアクラフトの親会社の御曹司ってことかぁ……。やっぱり雲の上の人だわ。

「ちょうだいいたします」

 私は名刺を受け取ったものの、カードキーしか持っていないことを思い出した。

「私の名刺は……控え室で渡しますね」
「ありがとう」

 エレベーターが到着したので、開いたドアから乗り込み、五十階で降りた。廊下を少し歩いて五〇〇一号室に到着する。

「ドレス、本当にごめん。本当はあの男にぶっかけてやろうと思ったんだけど、あの角度でグラスを倒したらキミにかかってしまって」

 水無川さんが申し訳なさそうに言った。

「あれってわざとだったんですか?」
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