溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
誰かが言っていたことを思い出した。
嘘を本当っぽく思わせるには、真実も織り交ぜるべきだと。
そんなテクニックまで駆使する私は、いったいどうしたいのか。
でも、『海のそば』では漠然としすぎていたようで、京介さんは「日本全国に候補地があるな」と笑った。
「ナオミは海の近くで育ったんだね」
「……そうですね」
「今度、連れて行ってくれる?」
「……はい」
絶対に守れない約束だった。
そこへ案内するには、自分の素性を明かさなければならない。
そして、明かしたところで、振られることは確実だから。
「この前、京介さんのお母様が言っていた大事な話っていうのが、今の計画のことですか?」
監査役として会社の経営計画などには目を通しているからだ。
「……いや、あれはまた別の話」
京介さんの表情が曇ったのは、横顔からでもわかった。
どうしたんだろう。
京介さんにとって、あまり嬉しくない話だったんだろうか。
すぐにいつもの穏やかな顔に戻ったものの、心の隅になんとなく引っ掛かった。